サッカー日本代表の新監督が、12日に誕生する可能性が高くなった。日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)は2月28日、次期監督人事について、交渉が順調に進めば、12日に行われる日本協会の次回の理事会で内定するとの見通しを明かした。最有力候補のバヒド・ハリルホジッチ氏(62=ボスニア・ヘルツェゴビナ)との交渉は順調に進んでおり、いよいよ正式発表の日が近づいてきた。

 いよいよ新監督発表の日が見えてきた。横浜市の日産スタジアムで行われた富士ゼロックス・スーパー杯を観戦した日本協会の大仁会長は、監督人事について「正式に決まるのは、うまくいけば(12日の)理事会だろうと思う」と明言。2月26日に渡欧した霜田強化担当技術委員長と、ハリルホジッチ氏との交渉に手応えを感じていることを示唆した。

 これまで「12日の理事会」を念頭に置いて大仁会長が発言したことはほとんどない。「うまくいけば」という言葉を繰り返して強調し、交渉が順調に進むことが前提としたが、決着のめどが立ってきたのは確実だ。「(12日の)理事会に諮って、承認をいただいてから契約。順調にいけばですけど」と今後を展望した。

 報道陣から、今後の交渉を進める上での懸案事項を聞かれると「細かいところを詰めなければいけない。その辺がどうなるか、まだ分からない面はある。うまくいくように期待している」と続けた。ただ慎重な言葉とは対照的に、明るい表情で前向きに話した。

 2月8日から21日まで、霜田氏が渡欧した際に今回の交渉の土台を作った。年俸200万ユーロ(約2億7000万円)の条件で基本合意に達している模様。残るは細かい条件などの調整だけとなっているとみられる。大仁会長は、27日の国際親善試合のチュニジア戦については「まだ分からない。出来ればそういう形(新監督)でいければ」とこれまでのスタンスを崩さなかったものの、12日に正式発表できれば、チュニジア戦と、31日のウズベキスタン戦で指揮を執る可能性は出てくる。

 小倉純二名誉会長は「うまくまとまってくれればありがたい。27日にはこだわらなくてもいいと思うし、ザックのように(スタンドから)見てもらうだけでも勉強になるはず」と話した。理事会が行われる12日に向けて、ハリルホジッチ氏との交渉が大詰めを迎える。